EXPOST VOL.1
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2 Mar.2022 VOL.01工場で使われた3Dスキャナー。室内をさまざまな角度から撮る= 大阪市此花区(デジタル総合印刷提供 ) 自動車部品などを手掛ける大豊精機(愛知県豊田市)と印刷業のデジタル総合印刷(大阪市東住吉区)は、3次 元(3D)スキャナーで撮影した工場のデータなどを活用し、設備の搬出入作業をシミュレーションできる新システムを開発した。遠隔地にいながらオンライン上で打ち合わせができることなどから、工程やコストの削減が可能。新型コロナウイルス禍のリモートワーク需要にもつなげる狙いだ。(産経新聞経済部記者 田村慶子)新 システム「BUNSHIN(ぶんしん)」は、工場と新たに導入を計画する設備などを、編集可能な3Dの実寸データで再 現できるのが特 長だ。関係者が現場へ集まり何度も作業を検討しなくても、搬出入のための動線の確保や、必要な作業人数などをパソコン上でシミュレーションできる。「工場の設備導入やレイアウト変更の作業をDX化できる」と大豊精機とデジタル総合印刷の担当者はアピールする。使用するのは1秒間に100万点のレーザーを発する3Dスキャナーだ。レーザーが物体に当たり、跳ね返りにかかった時間から計測した距離で、工場をまるごと点群(点の集合)データに再現。さらに搬入する設備の3DCAD(コンピューター利用設計 シ ステム)デ ー タ をCG(コ ンピューターグラフィックス)に変換し、工場の点群データと融合させた上で、独自技術によりオブジェクト(物体)を消したり動かしたりと編集できる「点群モデル」にした。そうすることで「大型の機器を置くには階段を撤去しなければならない」といった工場の設備搬出入DX化 リモート対応

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