EXPOST VOL.2
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2 大阪・難波で「近大生かずきの昆虫食博覧会」を開いた清水さん=中央=ら(清水さん提供)■昆虫食の普及目指す「意外とおいしい」。恐る恐る〝コオ(23)が昆虫食の魅力を伝えるために企画したイベントで、パネルなどを展示し、販売・イートインコーナーも設けた。食糧問題の解決策の一つとして注目される昆虫食。大学時代からその将来性に興味を持った清水さんは、コオロギの粉末入りコーヒーのような食品を開発し、講演会やYouTubeで昆虫食を紹介するといった普及活動を続けている。今、注目しているのがカイコだ。「繭(まゆ)から糸を取った後のカイコのサナギは、ペットフードくらいしか使い道がありません。しかし、サナギには糖尿病の予防効果などがあるとされる成分が含まれています」カイコ由来のタンパク質が広がれば、衰退した日本の養蚕業の復活にもつながる。清水さんは後輩たちと近畿 大 学アカデミックシアターが 採 択する学 生 主 導プロジェクト「NEXT GENERATION FOOD」の活動をスタート。東京の老舗煎餅店とサナギのパウダーを使った煎餅を共同開発したり、群馬県桐生市でカイコの餌となる桑の木を増やしたりしている。今年 3月には「近大生・シルクプロテインプロジェクト」という活動名で共創チャレンジに申請し、登録された。清水さんは「サステナブル(持続可能)な資源としてのカイコの可能性を万博で世界に発信していきたい」と意気込む。北海道・渡島半島の北部、函館市と室蘭市の中間に位置する八雲町。夕方、古い銭湯を改築した「やくもの寺子屋」に子供たちが集まってきた。生まれ育った環境による教育格差をなくそうと、人口3万人未満の地域を中心に小中高生の〝学びの場〟の開設を目指しているスタートアップ企業「株式会社あしたの寺子屋」(札幌市)の13番目の教室だ。今年4月に開校した。「オンライン教材の発展で学びの格差は解消されたといわれますが、過疎地の多くの子供たちの教育環境はそれほど変わっていないのが実情です」こう語るのは、2020 年に同社を創業した嶋本勇介社 長 (29)だ。各地のパートナーに運営ノウハウやネットワークを提供することで、これまでに全国11都道府県で14カ所の寺子屋を開校している。将来は1000 校まで増やしたいという。寺子屋では学習をサポートしてもら大阪・関西万博に参加できるのは、パビリオンを出展する政府や企業だけではない。市民グループや自治 体、NPO 法人、一般の企業でも万博にかかわることのできる様々なプログラムが開幕前から用意されている。その一つが SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた活動などを後押しする「TEAM EXPO 2025」の共創チャレンジ。すでに703 件(9月末時点)もの活動が登録されている。ロギコーヒー〟を飲んだ人から驚きの声があがった。今年 8月、大阪・難波のショッピングセンターで開かれた「近大生かずきの昆虫食博覧会」。近畿大学大 学 院 農 学 研 究 科 の清 水 和 輝さんNov.2022 VOL.02■教育の格差なくそう あなたも大阪・関西万博に参加できます共創チャレンジにすでに703件

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