EXPOST VOL.2
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3 福岡県広川町の寺子屋「irodori Study Lab」で勉強するこどもたち(嶋本さん提供)うだけではなく、オンラインで様々な職業の大人や他の地域の子供と交流したり、職場体験したりできる。「いろいろな人に話を聞くことで、自分の知らない価値観に出会える。地方の子供たちにもそんな機会を与えたいのです」こうした考えに共鳴してくれる人を全国でもっと増やそうと、あしたの寺子屋も共創チャレンジに登録している。 「大阪・関西万博は参加型の万博を標榜しています。これは従来なかった試みです」。2025年日本国際博覧会協会で共創チャレンジを担当する共創推進課の堂野竜也係長はそう強調する。「TEAM EXPO 2025」は、「い の ち 輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博のテーマを実現するための参加型プログラム。SDG 達成への貢献や社会課題解決のための活動を対象とした共創チャレンジと、共創チャレンジを創出したり、支援したりする共創パートナーの2 種類の参加方法がある。共 創チャレンジは「社 会 問 題の 解 決 やSDGsの達成に向けた活動、未来へのつながりを作るものなど、自分たちがワクワクする未来のためのアクション」なら、だれでも申請できるという。ただし、2人以上のグループの活動であることが申請条件だ。2 年前から募集が始まり、個人グループや自治体、企業などの703 件の活動が登録されている。活動内容は教育、健 康、文化、観光、地域活性化、防災、国際協力など様々。地域的にも万博が開かれる関西だけでなく、全国から申請があるという。共創パートナーには企業や大学、メディアなど237団体(9月末時点)が登録されている。トで活動が 紹介されたり、「TEAM EXPO 2025」のロゴマークを使用できたりするが、何よりもメリットが大きいのは他の活動チームや共創パートナーと知り合い、連携できることだ。協会は東京と大阪で定期的にチームなどの交流会を開催。公式ページには、各チームが活動を展開したい地域や共創を希望する相手などが紹介されている。FOOD」の清水さんたちは交流会で共創パートナーに登録しているサッカーのFC大阪と知り合い、同チームの試合会場で昆虫食を紹介してもらった。こうした具体的な連携も出始めている。から優秀な取り組みを選び、万博の会期中、会場内の「ベストプラクティスエリア」で展示するほか、会場外やオンラインでも成果を紹介していくことを考えている。堂 野さんは「『TEAM EXPO 2025』は会期前から様々な人による活動を発信し、共創を促進するプログラム。万博閉幕 後も、この活動をレガシー(遺産)として継承していくことを協会では検討しています」としている。※各共創チャレンジの詳細や連絡先は「TEAM EXPO 2025」のサイト(https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge)を参照してください共創チャレンジに登録されると、公式サイ冒頭に紹介した「NEXT GENERATION 協会では共創チャレンジや共創パートナーNov.2022 VOL.02■広がる活動の連携●MERRY EXPO 2025いのち輝く笑顔は、多様性と調和。未来への希望である世界中の子どもたちの笑顔がプリントされた傘を開き、平和への願いを発信するコミュニケーションプロジェクト。2025年の万博に向けた機運醸成として笑いの街・大阪から笑顔を増やしていきたいという計画。●観光地の新しい当たり前「ツーリストシップ」スポーツマンにスポーツマンシップがあるなら、ツーリストにもツーリストシップがあっていい。そんな発想から観光地と住民が共生できる観光地をつくるため、ツーリストシップの普及に取り組んでいる。現在は京都と奈良で冊子配布などを行っており、全国に展開する考え。●オンライン歯科健診 “HAKKEN”歯を健康に保つことは全身の健康にも繋がる。自分の口腔内を特殊なミラーで撮影し、写真をスマホで送って歯科医に見てもらうオンライン歯科健診サービスの普及に京都市の会社が取り組んでいる。検診の自動化やAI化も進め、全世界で展開したい考えだ。●泉州美食EXPO大阪・泉州地域の魅力的な食材を生かして地域活性化を目指すプロジェクト。地元のトップシェフや調理学校、自治体がメンバーで、大阪・関西万博が開かれる2025年には泉州地域をスペイン・サンセバスチャンのような世界を代表する「美食の町」にするのが目標だ。●AIRを楽しもう〜屋外で楽しむバドミントン〜バドミントンをいつでも、どこでも、だれにでも手軽に楽しんでもらおうと、世界バドミントン連盟は屋外競技用に新しいシャトルを開発し、エアバドミントンの普及に取り組んでいる。これを受けて「日本エアバドミントン連盟」が2021年4月、大阪で設立された。●バーチャル街づくり連合「リアルに加えてバーチャルも活かした、多層的な参加型クリエイティブ社会」の実現が目標。アーテイストと連携したメタバース美術館やAIキャラクターを介したコミュニティ活性化などに取り組む複数のコミュニティが参加しており、今後はその連合体を目指している。●徳島の生産者・伝統文化がつくる豊かな未来東京・西麻布のフランス料理店や元学校長らが地産地消や食品ロス削減をテーマに徳島県内の小学校でライブキッチンを実施し、環境や社会に配慮したエシカル消費の重要性などを子供たちに教えている。「いのちをいただく」ことの意義を発信したいという。 共創チャレンジの一例

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