玉川弘子7 EXPO2025のProfile 玉川弘子 1992年、大阪商工会議所入 所。商店街振興や中小企業政策の提言、報道対応などに携わった後、2016 年からDXや実証実験の支 援などを担当。2019年から産 業 部部 長として「コモングラウンド」などの事 業を推 進。2021年から現職。大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」と壇上に立つ岸田首相=中央(写真:共同)玉川弘子さん設しました。それを万博会場でやってみて、いずれは都市に実装するという壮大な夢を持っています。実験都市として発展していくうえで核になるのではないかと思います。実証実験といえば、大商は大阪府・市と18年度かその奇抜な姿に当初は「気持ち悪い」という声も少なくなったが、7月に愛称が決まってから、ネットでは「ミャクミャク様」と「様」付で呼ぶ人が急増。日本国際博覧会協会では二次創作のルールを発表し、広がりを期待している。紀之定さん スマートシティですね。玉川さん これが今後、大阪が実証大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の人気が高まっている。ら企業の先端技術実験を支援する取り組みをしています。企業が大阪城公園でドローンを飛ばしたいと思っても簡単に許可してもらえない。しかし、大阪の発展のためになるなら調整しましょうと始めた試みです。その延長線上で昨年から今年にかけて万博会場となる夢洲で空飛ぶクルマや自動運転など9つの実験を支援しています。こういう実験を万博後もできるようにしていきたい。紀之定さん こういった取り組みが万博のレガシーになるわけですね。玉川さん 私は「やってみなはれ」と「天下の台所」の二つが 万博 後のキーワードになると考えています。「やってみなはれ」は未来社会の実験場という万公式キャラクターは、細胞をイメージした赤い楕円が連なる万博のロゴマークと「水の都・大阪」にちなんで水を組み合わせたデザイン。約1900点の応募作品の中からデザイナーで絵本作家の山下浩平さんらのグループの作品が選ばれたが、5つの目玉を持ち、腕から滴がしたたり落ちる手で頭を支える姿は賛否を呼んだ。流れが変わったのは、万博開幕1000日前の7月18日に愛称が発表されてから。協会が 4月から募集し、2人から応募があったミャクミャクが選ばれた。それぞれ「人間の素晴らしさを脈々と未来に受け継いでいってほしい」「万博のテーマである文明や国際的なつながりを脈という言葉で表せれば」との思いが込められている。愛称の発表後、ミャクミャクという名前には、民間信仰の土着神的な響きがあることから、TwitterなどのSNSで「ミャクミャク様」と呼ぶ人が急増。「実は人好きの異形の神様」「もともとは祟り神だった」などという架空のエピソードが投稿されるなど、神格化するような動きが相次いだ。博のコンセプトを引き継ぐものです。新しいことをやりたい人を受け入れる街というのが大阪の今後の方向性で、それを分かりやすく表現した言葉といえます。モノの集散地として発展してきた大阪の特性を生かすことも重要です。「天下の台所」は、大阪のアイデンティティみたいなものだと考えています。さらに東京で開かれたコミックマーケットでミャクミャクのコスプレが登場したり、ネットにファンアートが投稿されたりするなど二次創作作品も増えている。こうした反響もあって、協会は8月30日、ミャクミャクの二次創作ルールを発表した。それによると、個人的に楽しむため公式キャラクターに似たデザインの絵画やデジタル画像、ぬいぐるみ、衣装などの作品を作成し、それを個人のSNSやブログに投稿することを認めるという。ただし、作品を公開する際は二次創作物であることを明記するよう求め、禁止事項として商品化しての販売や宣伝・広告といった営利目的での利用、公序良俗に反する使い方などを挙げている。テレビ番組などへの出演もひっぱりだことなっているミャクミャク。協会では「公式ロゴマークに続く、もうひとつの大阪・関西万博のシンボルとして、世界中から愛され、親しみを持たれるキャラクターを目指したい」としており、その人気を万博の機運醸成に活用したい考えだ。Nov.2022 VOL.02 人気の「ミャクミャク様」二次創作もOKに
元のページ ../index.html#7