EXPOST VOL.4
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●本社:大阪市東住吉区杭全2-10-1●電話:06・7178・5151●設立:1952年●本社:堺市堺区神南辺町5丁152−2●電話:072・225・5001●設立:1953年●本社:大阪市此花区西九条2-14-6●電話:06・6462・1951●設立:1961年真生印刷株式会社サンケイ総合印刷株式会社デジタル総合印刷株式会社発行日 2023年11月1日  発行所 サンケイ総合印刷株式会社(expost@sankei-sp.co.jp)  記事・写真の無断転載は禁じます株式会社LAB.AS●本社:大阪市此花区西九条2-14-6●設立:2021年→1面から続く「万博に関心があっても関わるのは難しいと思っている人は多い。では一番ハードルが低い参加方法は何か? お酒を飲みながら話をすることだと気づいたわけです」EXPO酒場を始めた理由をそう語るのはdemo!expoの仕掛け人・花岡さんだ。大阪市西区でデザイン会社を経営する花岡さんが仲間と活動を始めたのは大阪・関西万博が決定する前の2018年にさかのぼる。「面白くて変なことを考えている」をモットーにネット広告やPRイベントの企画・制作を行っている花岡さんには、誘致に向けた行政の機運醸成活動は「下手すぎる」と感じたためで、当時はフリーペーパーを発行したり、勉強会を開いたりした。同年、大阪開催が決まり、21年9月に「誰でも万博に参加できる」新たな仕組みとしてdemo!expoを立ち上げた。demoには「別に呼ばれてないけど。でも、やろう」という意味合いが込められているという。その後、EXPO酒場などをスタートさせると、万博を盛り上げたいという思いに共感した様々な人たちが集まってきた。今村治世さんは三菱総合研究所の主任研究員。日本国際博覧会協会で万博の参加型プログラム「TEAM EXPO 2025」の設計にも携わった。岡本栄理さんはオフィス家具メーカー、オカムラの社員で、万博協会が主催するトークイベントにかかわっていたことから花岡さんに声をかけられた。今年4月には今村さんや岡本さんらも参加してdemo!expoは一般社団法人化され、活動がさらに拡大することになった。岡本さんは「まったく異なる分野の人たちが万博を共通点に集まってきた。万博という言葉には魔法の力がある」と話す。こうした交流から生まれたプロジェクトの一つが、万博に向けて新しい大阪みやげを作る計画。明治20年創業の和菓子店・高山堂の竹本洋平さんが声をかけた。和洋菓子メーカー 9店舗と高校1校が参加し、第一弾として「パビリオン」という商品名でカラフルなデザインのキューブ型ようかんを©2023 Naomi Kawase/SUO, All Rights Reserved.走行中の電車の車内でドラム演奏などが披露された「EXPO TRAIN 近鉄号」(demo!expo 提供)に内外から万博を訪れる観光客に「夜の大阪の魅力」をアピールするプロジェクトだ。大阪のホテルマンたちが街に出てインバウンドに観光案内や通訳のボランティアをする計画もある。大阪文化ともいえる「お節介」を観光資源化してしまうのが狙いだ。「今宮戎神社の十日戎は屋台が出ていないと物足りない。万博に置き換えると夢洲の会場は境内で、周辺の街が屋台にあたります。祭りである万博が終わっても屋台である街はなくなりません」と花岡さん。「まdemo!expoが活動を報告する「まちごと万博カーニバル in OSAKA」が万博開幕500日前の11月30日、大阪・難波のなんばパークス1階なんばカーニバルモールなどで開かれる。夜にはEXPO酒場も行われ、約1000人の来場を見込んでいる。ちごと万博」や「夜のパビリオン」には、一過性のイベントではなく、何年も効果が持続する万博にしたいとの思いもある。海外パビリオン建設の遅れなど後ろ向きのニュースが目立つ万博。しかし、花岡さんはそれほど気にしていないという。「心配なのは、なんとなく終わって何も残らない万博になること。でも、こういう活躍を続けていたら、何か面白いことができると思います。少なくとも万博でつながった人々のネットワークは残ります」大阪商工会議所や南海電鉄との共催で、会場内に設けたステージやブースで各プロジェクトが活動を報告。「まちごと万博」の新しいプロジェクトも発表される。入場は自由。カーニバルは午後3時から、EXPO酒場は午後6時半から。開発。5月に大阪・梅田の百貨店で発売したところ、1週間で1万5000個売れた。7月に行われた「EXPO TRAIN 近鉄号」は近鉄グループの広告代理店、アド近鉄の長尾あみりさんが「近鉄沿線で万博を盛り上げたい」と働きかけて実現したイベントだ。近鉄の観光列車を借り切り、大阪〜奈良間を3時間かけて往復。車内でドラム演奏や紙芝居、ワークショップが行われたほか、沿線で作られたビールや清涼飲料水が発売され、家族連れらが楽しんだ。「まちごと万博」は地域活性化などに取り組む人たちと連携し、万博の開幕前や会期中に大阪など関西各地の街を舞台に様々なイベントを開くプロジェクト。夢洲会場と街の垣根をなくし市民参加のハードルを下げる試みで、今年4月から5月にかけて8か所で開幕2年前のイベントを開いた。今、準備を進めているのが「夜のパビリオン」構想。飲食店やライブハウスと一緒Nov.2023 VOL.048組織や世代超え、新しいプロジェクトも続々30日に難波で万博カーニバル誰でも参加できる万博を目指す

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