Apr.2024 VOL.055ロングさんのブログ「Re-urbanization -再都市化」ロングさんの X(旧 Twitter)アカウント各国が発表したパビリオンの予想図㊧ドイツ館(©MIR_LAVA_facts and fiction)、㊤サウジアラビア館(©Foster+Partners)、㊦フランス館(©Coldefy&CRA) ※8面にも海外パビリオンの予想図中本篤宏さん 小学校6年生の時に1970年大阪万博を訪れたのをきっかけに博覧会マニアになり、2010年の上海万博以降、海外で開かれた万博はすべて訪問、パビリオンもすべて入場している。最近ではカタールで開かれたドーハ花博を訪れた。どの万博でも「最終日に入場すること」を自らの「任務」としている。3面に登場していただいた二神敦さんらと「EXPOサポーターズ」という共創チャレンジのチームをつくり、万博を紹介するイベントなどを開いている。■中国館古代中国の巻物「竹簡」をモチーフにしたパビリオン。素材には竹をふんだんに使い、自然との共存という理念を表現するという。2月2日に起工式が行われた。「国の威信をかけたパビリオンになると思います。公表されている仕様書を見ると砂とデジタル技術を融合した展示を計画しており、興味深いです」(ロングさん)に高まったと思います」と指摘する。中本さんは「オリンピックの開催期間は2週間ですが、万博は半年間。その間、世界中から約160もの国の人々が大阪に集まって交流するわけです。ウクライナやパレスチナで戦争が起きている今だからこそ開催する価値はあります」と締めくくった。設計図通りにできれば、素晴らしいパビリオンになると思います」(中本さん)■クウェート館未来へ羽ばたく翼をイメージしたファサードの大屋根が目を引く。夜間には屋根を様々な色でライトアップする。「先見の明かり」をテーマに、没入型展示でクウェートの過去・現代・未来を紹介するという。「ひときわ印象的なデザインで、来場者の注目を集めそうです」(ロングさん)■韓国館テーマは「心をつないで」。外 壁に幅38m、高さ12mの超大型LEDディスプレーを設置し、K‐POPなどの映像を流すという。展示では韓国の先端技術や文化を発信する。敷地面積は中国館などと並び海外パビリオンで最も広い3500㎡。会期中の来館者数は282万人と、ドバイ万博の2倍以上「館内のレストランでは魚介や肉料理が提供されます。ジュリア・ロングボトム駐日大使は『(イギリス料理は)昔はまずいと思われていたが、今は絶対においしい』と自信を見せています」(ロングさん)■チェコ館ガラス工芸で知られる国らしく、パビリオンはダイナミックなガラスの螺旋構造で、来館者は外周部のスロープを上りながら展示を見て回る。中央の吹き抜け空間はダンサーによるパフォーマンスなどの舞台となる。今回、2000年ハノーバー万博以来となるデザイン案のコンペが実施され、38件の応募作の中から選ばれた。構造が複雑なため、ほとんどのパーツをチェコで生産し、日本に運んでから組み立てるという。「日本にも『栄螺(さざえ)堂』と呼ばれる寺院建築がありますが、これまでに発表されたデザインでは最も構造が複雑です。を目指しているというから意欲的だ。「外壁のディスプレーでは、SFの光学迷彩のように建物が空に消える映像技術を披露するそうです。館内でも専用の機器なしに別世界に入り込んだような体験ができる没入型の展示を計画しています。さすがはLED先進国です」(ロングさん)2月28日に起工式が行われた。最後にお二人に今、日本で万博を開催する意義について語ってもらった。ロングさんは「今はITが発達してネットで何でもできるようになった。だから、万博は時代遅れと言う人もいます。しかし、ネットだけでは満足できないことがコロナ禍で分かった。(万博のような)リアルの価値が逆ロングさん 「Re-urbanization -再都市化」というブログを2008年から運営。関西を中心とする全国の再開発やビル建設についてニュースを発信している。ブログには大阪・関西万博のコーナーもある。仕事から帰宅後、深夜まで情報収集や記事執筆を行い、休日も取材に出かけるという。海外パビリオンについては日本国内での発表だけでなく海外のサイトも検索するという徹底ぶりで、万博関連では最も情報が充実したサイトの一つになっている。今、万博を開く意義
元のページ ../index.html#5