3 Oct.2024 VOL.06キャラクターに秘められた歴史ちゃんと作者のシモーネ・レーニョさんIDOKI,LLC. Designed by Simone Legno;esy of Commissioner General for Italy Pavilion at Expo 2025 Osaka)ミャクミャクと並ぶチェコ館のレネ。右はレネの名前の由来となったレネー・ロウビーチェクさん(いずれも大阪万博2025年チェコ政府代表事務局提供)スコットキャラクターを次々と発表してSNSでは「公式キャラクターのミャクミャ、キャラクター大国の日本で開催されらしい現象といえそうだ。ビリオン発表会に登場したのが「レené)」。黄緑の胴体にミャクミャクのよ」という設定。チェコ政府は「ミャクミャカ政府代表)として考案した。リア館のマスコットは「イタリアちゃんa-chan)」だ。頭に城壁のような冠を、イタリアの国旗柄をあしらった振りアートブランド「tokidoki」の創設者、ネ・レーニョさんがデザインした。ツ館の「サーキュラー(CIRCULAR)」コロした姿が愛らしいマスコットで、日カワイイ文化」にヒントを得て考案しう。館内ではサーキュラーの形をしたリア政府は、大阪・関西万博のイタリ2世紀の彫刻像「ファルネーゼのアトーマ教皇庁もイタリア絵画の巨匠カラョ(1571〜1610)の代表作「キリスト・関西万博の参加各国がパビリオ達ができた」などと大きな話題になっ5月15日、大阪市内で開かれたチェ数の目がついたキャラクターだ。スタル渓谷にあるガラス窯で誕生しび心にあふれるフレンドリーで愉快な友になるキャラクター」(オンドジェイ・た女の子のキャラクター。世界的な写真(©luigispina)=を展示するとた。ギリシャ神話の神「アトラス」がめて天球儀を肩に担ぐ力強い男性日本では初めての公開となる。同館」を出展する予定で、美術ファンなせないパビリオンになりそうだ。に決めた。ベルギー館も細胞のようなキャラクターを発表し、名前を公募している。政府観光局が観光キャンペーンで使っているキャラクターを万博でも起用するのはシンガポールとオーストラリア。シンガポールの「マーリー(Merli)」=1面写真=はマーライオン、オーストラリアの「ルビー(Ruby)」はカンガルーと、いずれもそれぞれの国のシンボルをイメージしたキャラクターだ。SNSではミャクミャクがレネやイタリアちゃんたちと遊ぶファンアートも次々投稿されている。こうした現象について、万博でデザインシステムのクリエイティブディレクターを務める引地耕太さんは「日本では古来、あらゆるものに『いのち』が宿ると考えられてきた。万博ではいろいろな『いのち』が可視化されているようで面白い」と指摘する。実はレネやイタリアちゃんには秘められた歴史やバックグラウンドがある。レネの名前はチェコの代表的なガラス作家、レネー・ロウビーチェクさん(1922〜ビリオンとなる。館内に映画やオペラを上演する劇場、屋上には迷路のあるイタリア式庭園が設けられる。アトラス像は半円形の広場の中央に設置される予定という。ローマ教皇庁はイタリア政府とタイアップし、大阪・関西万博で初めてイタリア館の中に出展する。これに伴って、バチカン美術館が所蔵する「キリストの埋葬」を展示することを今年4月に発表している。同作品は死を迎えたキリストと、嘆き悲しむ人々を劇的な構図によって描き、カラバッジョ円熟期の傑作のひとつとされる。2021年に国立新美術館で展示される予定だったが、新型コロナ禍の影響で輸送が困難となり、中止となったいきさつがある。イタリア館は事前予約制になるという。2018)にちなむ。その代表作「ガラスの雲−水、生命の源」は、冷戦下に起きた民主化運動「プラハの春」で花開いた自由な芸術活動を象徴する作品として、1970年大阪万博で当時のチェコスロバキア館に出展された。しかし、旧ソビエトの侵攻で民主化運動は弾圧され、当時の共産党政権は万博が閉幕したあと、「ガラスの雲」を国に戻すことを認めなかった。その後、作品は鹿児島のホテルで展示されていたが、昨年、ようやく母国に戻った。チェコ政府は、ロウビーチェクさんに敬意を表してキャラクターにレネと名付けた。Xで「可愛いすぎる」と評判のイタリアちゃんが頭にかぶっているのは、石積みの城壁と塔が環状になった王冠だ。この冠を戴いた女性像「イタリア・トゥッリタ」は昔からイタリアを擬人化したものとなっている。作者のレーニョさんは日本のポップカルチャーに強く影響を受けたといい、イタリア館の公式サイトで「イタリアちゃんが(イタリアと日本の)文化の融合を象徴するシンボルになることを願います」と語っている。 端末が来館者に貸し出され、日本語・英語・ドイツ語で展示を案内する予定だ。タイ館もミャクミャクのように複数の目がある「プーム・ジャイ(BHUMI-JAI)」を発表。インドネシア館はコンクールを実施し、同国の伝統的なバティック(ろうけつ染め)の文様をモチーフにした「トゥムトゥム(TUMTUM)」アトラス像は西暦150年ごろ作られた大理石の作品で高さ2メートル、重さ2トン。ヘレニズム時代の作品を複製したものとされ、ナポリ国立考古学博物館に所蔵されている。天球儀は天空における恒星などの位置を示した球体で、ファルネーゼのアトラスは現存する最古の天球儀といわれる。イタリア館のテーマは「アートは命を再生する」。広場、劇場、庭園を備えたルネサンス期の理想都市を現代的に解釈したパネ、イタリアちゃん、サーキュラー…加国が「ミャクミャクの友達」を次々発表タリア館にアトラス像ラバッジョの代表作も
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