EXPOST VOL.6
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7Oct.2024 VOL.06Othman Almazyad 1986年、サ ウジ アラビ ア・リヤド生まれ。2013年、東海大学政治経済学部経営学科卒業。15年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。現在は東海大政治経済学部経営学科講師、−万博では日本とサウジアラビアのビジネス交流にも力を入れられますね。「未来につながるビジネスの機会をつくるのも重要です。専用のミーティングルームを設け、企業関係者や投資家向けの説明会などを毎日開催する予定です」−万博には何を期待されますか?「わが国が日本で開かれる万博に参加するのは1970年大阪、2005年愛知に続いて3度目になります。愛知万博では参加国と地元自治体が交流するプログラムがあり、愛知県豊根村がサウジのホームタウンにな慶應義塾大SFC研究所特任上席研究員を務める。サウジアラビア館の完成予想図(©Ministry of Culture, Saudi Arabia)んなパビリオンになりますか?数点在し、その間に曲がりくねった通っています。サウジアラビアの伝街並みをイメージしたものです。目つが『スーク』という市場です。ただ、会いがあったり…。日本の商店街にしながら、新たな発見や出会いをし地を進まないと、次に何があるのらない。ワクワクしますね。物にはそれぞれ展示テーマがあり、ています。現代はゲノム研究や宇宙いった取り組み。未来は『NEOM』ビリオンの建物も伝統的な中東のが造り風の外観です。再利用するなど、パビリオンはカー庭のステージなどで伝統舞踊や音ウジ映 画の特 別 上 映、DJライブ、れわれ日本人が知らなかったサウビアを知ることができそうです。しむことです。実は日本には本格的ジアラビア料理のレストランはありまサウジ風の料理を出すアラブ料理店のサウジ料理新たなつながりをビリオンには様々な形や大きさの建は単なる商売の場所ではありません。ニティーを育む空間です。知り合いに、調子はどう?』と声をかけたり、新いますね。来館者の皆さんには路地だきたいと考えています」るとサウジの過去・現代・未来をバーツアーで体験できます。過去はアル古代都市や世界最大のオアシス、アハサの遺跡。いずれも世界遺産に登、100%再生可能エネルギーで生活巨大なスマートシティを砂漠に建設すジェクト。サウジの伝統や文化を紹とともに、わが国が急速に変貌してとが分かる展示になります」物の屋上にソーラーパネルを設置し、ュートラルを目指しています」ベントもたくさん開かれます。ションショーを毎日開催。会期中、を超えるイベントを計画しています。やクラフトも体験していただく。料理、音楽など『五感』でサウジアラビアてもらうパビリオンになります」薦めはパビリオン内のレストランで食ならありますが、それはアメリカでカリフォルニアロールを食べて、日本の寿司を味わった気になるようなものです。そこで万博では本国から呼び寄せたシェフが常駐し、本場のサウジアラビア料理を提供します」−どんなメニューがあるのですか?「例えば『サイヤディーヤ』は揚げたり、焼いたりした魚介類に香辛料で炊き上げたご飯を添えた料理で、日本人の口に合うと思います。このほか、地方の伝統料理やデザートを提供します。香辛料の効いた料理ですが、辛くはありません。主食は米で、羊肉や鶏肉、牛肉も使います。ナツメヤシを使った料理だけで500種類以上あります。こんな食文化も知っていただきたい」−サウジアラビアは2019年に観光ビザを解禁し、それ以来、外国人観光客の受け入れに熱心に取り組んでいますね。「30年までに年間1億人以上の観光客受け入れを目標にした国家戦略があります。このうち日本人は3万人で、観光に特化した事務所も日本に開設しました。日本人はサウジアラビアと聞くと砂漠を思い浮かべるでしょう。実は日本の6倍の面積があり、南には緑豊かな山が広がっています。1年中暑いのではなく、四季もあります。先ほど紹介した『NEOM』で建設されるトロヘナというリゾート地では29年に中東初の冬季アジア大会が開かれます。紅海は透明度の高いダイビングスポットです。万博をきっかけに、こんな観光地としてのサウジの魅力も知っていただきたいと思います」−次回30年の万博が首都・リヤドで開かれることも決まりました。日本からもサウジを訪れる観光客は増えそうです。「大阪・関西万博で得られた成果をリヤド万博にうまくつなげたいですね」−オスマンさんのお話を聞いているうち、本当にサウジに行きたくなりました。「サウジアラビアの文化は、おもてなしの文化で、日本と似ています。その象徴がコーヒー。お客さんが来るとまずコーヒーを出しますが、カップには四分の一ほどしか入れません。熱々のコーヒーを楽しんでもらうためです。お客さんが飲み干すと、すぐにコーヒーを注ぐ。お客さんが『もう結構です』というまでこれが続くのです。こんな、おもてなしの文化をぜひ体験してください」りましたが、20年近くたった今も交流が続いています。私が07年に来日した時、初めてスキーを体験したのは豊根村でした。豊根村の皆さんにもサウジや、日本のわが家に来ていただいています。万博は人と人のつながりを構築できる機会です。新しいイノベーションを紹介するのも大切ですが、世界の人々に異なる文化を知ってもらい、理解を深めてもらう役割があると思います。大阪・関西万博でも両国の人々の間に新しいつながりが生まれ、新たなコミュニティーが形成されることを期待しています」(聞き手 真生印刷常務取締役・紀之定正一さん)Profile ウジアラビア館府代表ルマズヤッド・オスマンさんウジの過去・現代・未来五感」で体験してもらう

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